マレーシアで感じた宗教
マレーシアに旅行してもっとも印象に残ったことの一つが、ずばり宗教。
彼ら、街中にゴミをポイポイまるで便器にトイレットペーパーを捨てるかのように、道路にゴミを平気で捨てていくくせに、宗教の話になると急にマジメに話し始める。
現地の人によく言われていた質問でこんなのが
『ハハハ…ところでマリック、君はムスリムなのかい?』(注:僕はマリックと呼ばれていた)
『ムスリム?違うよ』
『ムスリムじゃないのか…、じゃあなんだ、クリスティアンなのかい?』
『ノーノー、あいあむのっとクリスティアン』
『なんだって、君はアジア系なのにヒンドゥー教徒か何かかい?』
『それもノー、日本人の多くは無宗教なんだよ』
『無宗教?Why?』
日本人一同「Why?なんてこたえようか…」
これのやりとりは、現地の可愛い女の子にも、カーペット売りのパキスタンから来たカーペット売りの少年からも、街の一角の小さなレストランのインド系店員からもよく言われました。
『なんだい、じゃあ君たちはまさか断食をしたことがないのかい?』
『あれは大変らしいね、やったことないけど』
『じゃあ何かお祭りとか、めでたい日とかはないの?』
『クリスマスとか、お正月とか…』
『え!? クリスマス?なんだい君たちクリスティアンじゃないか!』
『いや別に、僕たち日本人はクリスティアンじゃないけどクリスマスを祝うんだ』
『Why?』←よくこれを言われる
『……お祝いが多くほしいんだとおもう』
『じゃあ断食もやりなよ、あれやると体の中が清められるよ』
『日本じゃ3食食べることが健康に良いとされてるんだ、だから無理だよ…』
個人的には、大雑把に見てキリスト教徒よりイスラム教徒の方が、厳格なイメージがあったけど…どうやらきっと間違いではないようです。
だってカトリックの人だって、コンドームつけてセックスするでしょ?
イスラム教の女の人は夫と以外はセックスはしないそうですよ、彼氏でもダメ。Hは結婚してからが当たり前!、と言うのがこのイスラム世界。
というかイスラム教の女性は男の人と話すことすらも余りしないそうです。なんでかって?不純だからだってさ、うぶだよねぇ。
そして彼らが一人で静かに部屋に入っていった時は要注意、きっと今からお祈りの時間だからだ。
《コン コン》「カカー…あっすみません…」
お祈り中の部屋に入ろうとして何度謝ったことか……
だが流石イスラム教徒、部屋に人が入ってきたくらいでお祈りを中断する人なんていませんでしたがね。
完全に神様との対話モードに入りきっているのである。彼らの意識はこの世にない、といっても過言ではないほどの集中っぷり。
彼らにとってアッラーや教義とは、もう何よりも絶対的なものなんでしょう。
今回の旅行で僕達をよく引率してくれた、Rさんというマレーシア人の先輩がいたんですが…。
その先輩とクアラルンプールの、活気と言うよりも熱気でマンマンとした街を歩いている時のこと。いかにも如何わしいおじさんが、Rさんに声をかけてきた。
おじさん『ほほほ…指輪買わないかい?』
R 『いや、いりません』
『いいか君、私には不思議な力があっての…君は…おお、なんと多くの人に恨まれていることか…』
『わかりましたからいりません』
『この指輪を買うと、他人の恨みを解消することができるんじゃぞ』
『……(無視を決め込んで歩いている)』
『私の名前は○○である』
『!! 買った』
もう日本人一同、ビックリである。
僕自身、クアラルンプールの街で木の上から鳥のフンが落ちてきて当たって、街の人に笑われたことよりビックリである。
あんなに頼りになるRさんが…街中であんな如何わしい、歯も所々ないようなオジサンから指輪を買った…そんなばかな。
なににビックリって、Rさんが急に買うと決断した相手のひとこと、「私の名前は○○だ」にある。
どうやらこの名前、イスラム関係の名(?)だとかなんとか知らないが、とにかくこのオジサンは、『自分のイスラム教への信仰を担保にしてもいい』、という事を言ったらしいのだ…
『でもRさん…そんなの口だけならなんとでも言えるんじゃ…きっと騙されたんじゃ…』
『いやねマリック、仮にもしこの指輪が偽物で、他人の僕への恨みが云々の話も偽物としようじゃないか』
『うん』
『でもその場合、不幸になるのは騙された僕じゃないんだよ』
『え?』
『彼は信仰を担保にだした、もし彼が嘘をついていたのなら彼はイスラムに背を向けることになる』
『!!』
『もう分かったかな、よって彼は絶対にウソをついてない、仮についたとしても不幸になるのは彼だ。』
なんと言う宗教観念!普通の日本人には絶対理解しえない感覚ではないだろうか。
普段は合理的で現実的でケチなRさん、ホテルで泊まる時でさえも徹底して値切り、さらに付くはずのない朝食まで話術でGetしてしまうほどのRさんが…まさかココまで簡単に人にだまされるとは…。
いや、騙されたんじゃないんでしょうね。
それほど彼はイスラムを信じているんでしょう。宗教の力ってすごいよね、ほんと。
・・・・・・・・・・・・・
「アズリン、可愛かったな〜」
息子『母さん!マリックがアズリンのことをぼやいてるよ!』
母 『オゥ!マリック"もっとすけべ!"』 (もっとすけべ という日本語を覚えさせた)
父 『だがなマリック、アズリンと結婚するには君もムスリムの一員にならなければならない』
「へぇ…Rさん、イスラム教徒になるにはどうすればいんですかね?」
R 『豚を食べるのをやめて、コーランを読めるようにして、酒をやめて…あとチンチンの皮をカットしなきゃね』
母 『ワット、チンチン?』
R 『"チンチン"とは〜〜〜のことだよ』
母 『ハハハ〜"イカサマ!”、チンチン、チンチン、チンチン、ワハハ〜』
(イカサマ という日本語を覚えさせた…が、残念ながら使い方が間違ってた)
あれ、意外にイスラム教の人でも下ネタでも盛り上がれるんだな(^ω^)
どうやらマレー語でチンチンとは指輪を指すらしいです。