そんな寮でのお話

僕たちの寮は、大学の寮あるまじき個人主義
ふつう寮って、先輩たちとの絡みがあったり【寮飲み】なるものがあったりするもんですが、うち寮にはそれがなく徹底した個人主義



自慢じゃないが
おりゃー隣の住人が誰なのかしらん。
おりゃー向かいの部屋が誰なのかしらん。
ときどき見るあの人も、果たして先輩なのか、同じ1年なのかも知らん。
向かいの隣の隣の隣の隣の隣の隣の隣の隣くらいの奴は友達だけどね。
お前がただ非社交的なだけだろだって?ウッセエ違うわ。



もう個人主義的すぎて、部屋の扉なんて、風を通すために常に開けっ放しよ。
(といっても、10センチくらい隙間があいている程度だが)


廊下から誰かに部屋の中が見られてもお構いなし、もうそんなの気にならなくなったし。





「みるなら見ろよ!、その代わり俺もいろんな人の部屋、廊下から見るからな!」
という理論なわけで。(むちゃくちゃ)








だがしかし…この間こんな事件があった。



「よお」


俺が例の如く、パンツ一丁でテレビ見てると、いきなり友達が入ってくるではないか!
振り向いて、慌てまくる俺




「あ…ぁああ、よ…よくきたね、まぁ入りなよ」


ちょっと待てと
俺、ほぼ生まれたまんまの姿なんだぞと
しかも友達が貸してくれたHなDVDとか置きっぱなんだぞと
さすがに俺でも、いきなりパンツ姿を見られるのは恥ずかしい。
というか、いつもこんな姿でいると思われると顔から火が噴きそう!もう穴があったら入りたい!



≪ののののノックくらいしてくれよ〜≫と羞恥心に頬を染めながら適当にイソイソ服を被りながら…
気恥ずかしさを紛らわすために、勇気を出して言ってみたよ。


 「このDVD貸しちゃおか?」 


 「は?…いらねーよそんなの」 


否定されたことによって、ますますもってやるせない。
俺だって、要らないという友達から無理やり貸されたようなもんなのに!調子悪いじゃないか!
(もうこうなったら貸してくれた友達を悪者化させる、ごめん。)






まぁたまにはそんな失敗談もあるが
僕はそんなことでへこたれないのである。


でも今日は念のため服を着て過ごしているのである。こうやって人は学んでいく。




チキン野郎の日記でした。